「GAS MODS NIXON V1.5」は満足度の高いフレーバー重視のRDTAです。
VAPERSではこれまでにクリアロマイザー、RDA、RTAといったアトマイザーを紹介してきました。
本日はまた新たな方式のアトマイザーをご紹介します。
- RDTAとは
- NIXON RDTA
- 「GAS MODS NIXON V1.5」の実機レビュー
- ビルド
- iStick Picoに載せてみた
- 「GAS MODS NIXON V1.5」で吸ってみた
- 最後に
RDTAとは
商品の紹介に入る前にちょっと用語の解説をしておきます。
今回ご紹介するのはRDTAというカテゴリーの商品です。
自分でビルドする(コイルを組む)タイプのアトマイザーを総称してRBAと呼びますが、その中の1つですね。
正式名称はRebuildable Dripping Tank Atomizer(リビルダブル ドリッピング タンク アトマイザー)で、RDAのデッキ下にタンクを取り付けた構造になっています。
アトマイザー上部はRDAのようにコイルがドリップチップのすぐ下にあるため、味をダイレクトに感じられます。
そしてコイルから伸びたコットンの先をアトマイザー下部のタンクに落とすことにより、RTAのようにリキッドを保持できます。
アトマイザーの各方式について、もっと詳しく知りたい方はVAPE用語集を参考にしてみてください。
RDA・RTAはこれまでにも紹介してきましたが、RDTAは今回が初記事となります。
NIXON RDTA
私が初RDTAとして購入したのがGAS MODSのNIXON RDTA V1.5です。
2017年秋頃からSNS上を中心に人気が爆発したRDTAですね。
最近では各ショップでも普通に購入できるようになり、私はFlavor-Kitchenで購入しました。
そんなNIXONですが、V1.0と1.5の2種類があります。
1.5の方が優れているかと言われればそんなことは無く、1.0と1.5のそれぞれに異なる良さがあります。
大きな特徴をざっくりと挙げておきますと、タイトなエアフローで味をより重視するならばV1.0、BF化してスコンカーMODで吸いたいならV1.5といった選び方でOKです。
私は極細ドリップチップと組み合わせたMaze V4と、MTL向けのRTAであるBerserkerを所有しており、役割が被りそうな1.0ではなくV1.5を選択しました。
また、1.0と1.5の両方を購入してパーツを組み合わせ、「さいきょうのにくそん」を作る人もいます。
こういった楽しみ方のあるアトマイザーは面白いですね。
「GAS MODS NIXON V1.5」の実機レビュー
それでは実際に見ていきましょう。
ブラックとシルバーの2色から選択できますが、私はブラックを購入しました。
全体的にマットな質感でまとめられています。
NIXON V1.5の内容品は以下。
- NIXON RDTA本体
- 交換用チューブ
- 交換用Oリング類
- 交換用イモネジ
- 交換用コンタクトピン
- 六角レンチ×2
付属品はかなりシンプルですね。
マニュアルやプリメイドコイルは付属しておりません。
2種の太さの六角レンチは細い方がデッキのイモネジに、太い方がBFピンに対応しています。
また、非BFのコンタクトピンはマイナスネジですので、交換される場合にはドライバーを別に用意しましょう。
22mm径のコンパクトなアトマイザー
本体を見ていきましょう。
24mm径の大き目なアトマイザーが流行していますが、NIXONは22mm径のコンパクトサイズ。
23mm径以上のアトマイザーを取り付けられないiStick PicoのようなMODにも対応しているのが嬉しいですね。
ドリップチップはかなり短めですね。
コンパクトなアトマイザーとの組み合わせですので、味をダイレクトに感じられそうです。
510規格ですので他メーカーの商品を使用することも出来ますが、NIXONには同一形状のドリチ3色セットも販売されています。
全体の統一感を重視する人におすすめですね。
トップキャップは逆ネジになっており、左に回すと締まり、右に回すと緩みます。
ネジのピッチはかなり細かく掘られており、回す時の抵抗感が強いですね。
トップキャップ裏側はドーム状でなく、中央が凹んだ構造になっています。
そのためコイルの位置を高くすると接触してショートする危険がありますので、ビルド時には気を付けましょう。
また、全体的にかなり薄めに作られているため、縁で指を切らないようにも注意してください。
ドリチ同様にトップキャップも別で販売されています。
ウルテム製のキャップに交換すれば熱も伝わりにくくなり、より吸いやすくなります。
タンク部分は順ネジですので、左に回せば緩んで外すことが出来ます。
チューブ部分はOリングではめ込んであり、スペアのチューブと交換可能なのですが…
スペアのチューブには謎の汚れが…これはちょっと残念ですね。
NIXONに限った話ではありませんが、新品のアトマイザーには切削時の油などが付着している場合もありますので、使用前に1度洗うのがおすすめです。
チューブに関してですが、形状・材質はスペアと本体に付けられている方で違いはありません。
ガラスではなく樹脂製ですので、強い柑橘系のリキッドは避けた方が良さそうです。
ビルド
デッキを見ていきながらビルドをしてみましょう。
…と、その前にやることが1つありました。
BFピンを交換
NIXON V1.5の特徴の1つはBF(ボトムフィーダー)に対応している点。
しかし、現在所有しているスコンカーMODにはMaze V4を載せているため、NIXONはしばらくBFでは使わない予定です。
購入時のアトマイザーには非BFのコンタクトピンが取り付けられており、BF用のピンがスペアで付属するというのが一般的ですが、NIXONには最初からBFピンが取り付けられていました。
ですので、BF非対応のコンタクトピンと替えてしまいましょう。
付属の六角レンチ(太)でBFピンを外します。
コンタクトピンを外すと、デッキ部も分解できるようになります。
V1.0と1.5でニコイチする場合に必要な手順ですね。
BFピンに付いていたワッシャーを交換用のピンに付け替えたら、マイナスドライバーで締めれば完成。
交換完了しました。
将来的にはまたBF用のピンに戻し、スコンカーMODと組み合わせて使いたいですね。
BF運用も試してみた
TakuyaさんがNIXONをメカニカル・スコンカーMODと組み合わせて使用しています。
後述するNIXONの弱点をカバーできるため、やはりNIXONはBFで運用するのが最適なようですね。
コイルの取付~ドライバーン
NIXONのデッキがこちら。
ぽっかりと穴が2つ空いていますね。
この穴にコットンを通すことを考えると、2.5~3mmあたりでコイルを巻くのがちょうど良さそうです。
コイルを取り付ける際にイモネジを外す必要があります。
スペアがあるとは言え、紛失しないように注意してください。
カンタルA1・24ゲージの単線ワイヤーを使い、内径2.5mm・7ラップで巻いてみました。
単線でのマイクロコイルですので綺麗に組むのも簡単ですね。
コイルジグを通したまま固定すると、ネジを締めた時に強いテンションがかかってもコイルが型崩れしません。
コイルを固定したらニッパーで足をカットします。
精度の悪いニッパーですと、ギリギリの位置で切ることが出来ません。
あまりにも長く飛び出しているようであれば、一度コイルを外して足をカットしてから、再度取り付けることをおすすめします。
両側ともカットできました。
COIL MASTERのツールキット付属のニッパーは精度が良いので、わざわざコイルを外す必要は無いでしょう。
ニッパー以外の使い勝手も良いので、百均の工具を利用していて苦戦している人はお試しあれ。
ドライバーン終了時の抵抗値は0.56Ωでした。
ウィッキング~リキッドチャージ
コイルの準備が完了したらコットンを詰めていきます。
下部のタンクからリキッドを吸い上げることを考え、コットン量は多すぎず少なすぎない量に調整しました。
デッキの穴にコットンを通した際に5mmほど飛び出る程度の長さに揃えています。
タンクの底に届くくらいの長さにする人や、そもそもタンクにコットンを落とさない(=デッキの穴にコットンを通さない)人もいますので、この辺はお好みで。
先の細いピンセットでコットンをつめつめ。
穴に通す際にぐいぐいと引っ張ったコットンをピンセットでちょんちょんつついてふんわりと。
ウィッキングが終わったらリキッドチャージです。
コットンに適量を垂らしたら、デッキ側面の穴からタンクにもリキッドを注ぎます。
穴が結構小さいため、キャップがスポイトになっているリキッドでは厳しいですね。
あらかじめユニコーンやニードルボトルに移し替えておくと作業がスムーズです。
コットンとタンクにリキッドを供給させたらトップキャップを被せて完成です。
NIXONはトップキャップ中央が凹んでいるので、キャップを被せたらコイルと接触してショートしてしまうこともあり得ます。
MODに取り付ける前に、トップキャップを被せた状態でオームメーターでの確認をしましょう。
iStick Picoに載せてみた
NIXONは22mm径のアトマイザーですのでPicoに載せてみました。
小さなアトマイザーには、同じように小さなMODがよく似合いますね。
私のPicoは光沢ありのブラック×ブロンズですが、いっちーさんの持っているマットブラック×シルバーのPicoならば、より相性が良さそうです。
「GAS MODS NIXON V1.5」で吸ってみた
コイルと吸い口の位置が近いこともあり、濃い目の味がふんわりと漂ってきます。
フレイバーチェイサー向けのアトマイザーですね。
素直な味と言いますか、とても美味しいです。
特にスイーツ系リキッドとの相性が良く、クッキーやスコーン味のリキッドと組み合わせて吸っていただきたいですね。
私が最も「合う!」と感じたのはKloud KrafのNANA BERRY CUPCAKEです。
パンケーキにかぶりついた時のような味わいのリキッドですが、NIXONで吸うとさらに焼きたての香ばしさも感じられました。
コーヒーを飲みながら吸うと無限に吸い続けられるのではないかと錯覚してしまうほど。
この価格でこの味を出せるのか…と、驚きです。
熱に注意
ステンレス製の薄いキャップと短いドリチにより熱くなりがちです。
私も実際に使っていて、慣れるまでは「熱っ!」と驚くことがありました。
低抵抗・高出力でぶはぁ~っと吸うのには不向きです。
抵抗値をやや高めにして、まったりと楽しむのが良いでしょう。
ウルテムのキャップや、長めのドリップチップに交換する等で対処するのもアリですね。
エアフローの調整がしにくい
トップキャップを回してエアホールの開き具合を調整するのですが、逆ネジで尚且つピッチが細かいこともあり、非常に回しづらいです。
エアフローを絞りたいのに、トップキャップを回すとタンク部が緩んでしまう…なんてこともちらほらと。
その都度調整しながら吸いたい人にははっきり言って面倒な構造になっています。
お気に入りのリキッドと、それに合わせたセッティングが定まっている人向けのアトマイザーですね。
私はKloud Krafのカップケーキ専用アトマとしてNIXONを使っています。
最後に
ビルドやエアフロー調整が若干面倒な点など、ちょっと癖もありますが、それ以上に高い満足感を得られた商品でした。
マットでシンプルなデザインが可愛いですし、味も申し分無し。
24mm径の大型アトマイザーが増えている中、22mmのコンパクトな本体にこれだけ詰め込んでいて、その人気の高さが納得できる仕上がりです。
スコンカーMODと組み合わせたら、また記事に追記させていただきます。
それではまた。