先日、「RDAをBF化して美味しさと大容量を両立しよう」という旨の記事を書きました。
BF化したRDAは確かに便利ですが、スコンカーMODが必要になることや、RDA本来の良さである手軽さが打ち消されてしまうこと等から、手を出しにくい人も多いのではないでしょうか。
本日はまた異なるアプローチで味と容量の両立を実現してくれる商品をご紹介します。
RTAとは
商品の紹介に入る前にちょっと用語の解説をしておきます。
今回ご紹介するのはRTAというカテゴリーの商品です。
自分でビルドする(コイルを組む)タイプのアトマイザーを総称してRBAと呼びますが、その中の1つですね。
正式名称はRebuildable Tank Atomizer(リビルダブル タンク アトマイザー)となり、その名の通りタンク付きのRBAです。
自分でコイルを組んで調整ができる・ランニングコストが安いといったRBAのメリットを備えつつ、クリアロのようにタンクにリキッドを保持できる点が魅力です。
その他の方式について知りたい方はVAPE用語集を参考にしてみてください。
RBAの一種であるRDAはこれまでにも紹介してきましたが、RTAは今回が初記事となります。
VANDY VAPE Berserker MTL RTA
私が購入したのはVANDY VAPEのBerserker MTL RTAです。
爆煙ではなく味重視のアトマイザーで、商品名にも入っている通りMTL(タバコ吸い)向けの商品ですね。
24mm径で、カラーバリエーションはシルバー・ブラック・ゴールド・レインボーの4色があります。
Picoユーザーに嬉しい22mm版
私が購入したのは24mm径ですが、22mm版も販売されています。
カラーバリエーションも24mm版同様の4パターン。
iStick Picoなど、24mm径のアトマイザーを載せられないMODを使用されている人にも嬉しい商品展開ですね。
実機レビュー
それでは実物を見ていきましょう。
今回購入したのはBerserker MTL RTAのゴールドカラーです。
商品写真では白っぽいゴールドに見えましたが、実物は黄色が強く出ており好みの色味でした。
Berserker MTL RTAの内容品は以下。
- Berserker MTL RTA 本体
- 交換用ドリップチップ
- 交換用ガラスチューブ
- 交換用チャンバー
- 交換用Oリング類
- プリメイドコイル×2
- プラスドライバー
- チャンバー交換用工具
- マニュアル
シングルビルドのデッキですがプリメイドコイルは2つ入っています。
使用されているのはフューズドクラプトンでしょうか、細かすぎてよくわかりません。
内径は2.5mmですね。
底面には保護フィルムが貼られていますので忘れずに剥がしましょう。
ドリップチップはBerserkerに取り付けられている方がウルテム製、黒い方はデルリン製です。
内径含む、形状は同一のようですね。
ドリップチップ、トップキャップを外したところ。
付属の工具を使ってネジを緩めます。
逆ネジになっており、左に回すと締まり、右に回すと緩むので注意しましょう。
トップキャップ以下のパーツをバラしてみました。
左からデッキ・ウルテム製チューブ・チャンバー・トップフィルリング・チャンバー固定ネジ・トップキャップとなっています。
RDAに比べるとパーツ点数は多いですね。
デッキ部とタンク部はOリングにハメてあるだけですので引っ張って外せますが、取り外しはゆっくりと慎重に行いましょう。
下から空気を取り入れるボトムエアフロー構造になっています。
エアホールは0.8mmから1.6mmまで、0.2mm刻みで5種類から選択可能です。
さらにエアホール調整リングをずらすことで、1.6mmのホールをちょい開けのような微調整も可能。
大容量化
もともと取り付けられているチューブでは2.5mlのリキッドを保持できますが、付属パーツに交換することで4mlへと大容量化することが出来ます。
4mlのチューブはウルテムでなくガラス製ですので、割らないように注意しましょう。
チャンバー→チューブの順にトップパーツに取り付けていきます。
チャンバーの縁が若干鋭くなっていますので、押し込む際に指を切らないように気を付けてください。
逆ネジを反時計回りに締めて固定します。
デッキ・トップキャップを取り付ければ完成です。
背が高くなりますので、同じく高さのあるMODと組み合わせると見た目の相性が良さそうですね。
ビルド
デッキを見ていきましょう。
シングルビルドのデッキです。
コイルの固定はプラスネジで行います。
プラスドライバーが付属していますが、小さいせいで非常に回しづらいです。
ツールキットに同梱されているものでも良いので、大きくて持ちやすいドライバーを用意しておくことをおすすめします。
コイルの固定
それでは実際にビルドをしていきましょう。
今回は付属のプリメイドコイルを使用します。
足を通した状態で仮止めします。
この時にはまだネジはコイルの足を軽く押さえる程度の強さにしておきます。
ネジに巻き付けるようにコイルの足を90度に曲げて、ネジをがっちり絞めて固定します。
デッキ部にはガイドとなる溝が掘られていますので、ワイヤーがずれにくくて助かります。
もう片方の足も同じように曲げてネジで固定。
コイルの足を長めにしておくとデッキへの固定がスムーズに行なえます。
はみ出した足はニッパーでカット。
コイルを固定してからワイヤーをカットできるデッキは楽で良いですね。
ビルドが簡単!
今回はプリメイドコイルを使用していますが、Berserkerのビルドは驚くほど簡単ですね。
気を付けるべきは足が長くなるようにコイルを巻く点のみで、位置決めから固定、足のカットまで全ての手順で難易度が低いです。
私は現在RBAを4つ所有していますが、ビルドの難易度に関してはBerserkerが断トツで低いです。
RBA・RTA入門にもおすすめですね。
ドライバーン
コイルを固定したらドライバーン(空焼き)をしていきます。
作業前は0.46Ωと若干低めになっていました。
プリメイドコイルは形も綺麗でしたので、ホットスポットの除去もちょいちょいっと整えただけであっという間に終了。
ドライバーン作業が終了し、0.64Ωになりました。
ウィッキング
ドライバーンが終わったらウィッキングです。
ふんわりとコットンを詰め込みます。
コットンはお気に入りのWICK 'N' VAPEのCotton Bacon V2.0です。
リキッドの浸透がとても速いので、タンクからの供給が間に合わなくてコットンを焦がしてしまうことも無いでしょう。
デッキの溝にちょうど納まる長さにコットンをカットし、切り口をピンセットの先でつついてフワフワにしてあげます。
長さを調整したコットンの両端をデッキの溝に落とします。
RDAの時には梳いてコットン量をちょっと減らしていますが、今回はそのままの量でいきます。
コットンを詰めたらリキッドを垂らしておきましょう。
タンクからも供給されますが、あらかじめ垂らしておけば新品でもクリアロのように時間を置く必要がありません。
タンクにリキッドチャージ
ここまでの手順はRDAと同じでしたが、RTAでは手順がもう1つ存在します。
それがタンクへのリキッドチャージ。
ビルドをしたデッキにタンク部を取り付けます。
ガラス製のチューブを使用している場合には割らないように気を付けましょう。
タンクへのリキッドチャージですが、Berserkerは上部から行えるので手軽ですね。
注ぎ口がちょっと細いので、スポイトタイプのリキッドの場合は入れにくいかもしれません。
チャージしにくいリキッドはユニコーンボトルに移すことをおすすめします。
STRIDEに載せてみた
Berserkerは24mm径のアトマイザーですのでiStick Picoには載せられません。
そこで、STRIDEに組み合わせてみました。
というか元々STRIDEに合わせる予定でゴールドカラーを購入したのですが…
滅茶苦茶格好良くないですか?
黒と金の組み合わせがたまりません。
まるで専用品かのように調和しています。
STRIDE自体が背の高いMODですので、4mlタンクも似合いますね。
吸ってみた
見た目に大満足なBerserkerですが、肝心なのは味です。
実際に吸ってみましたが、リキッドをそのまま舐めているかのような、とにかく濃厚なミストが印象的です。
清涼剤入りのフルーツ・ドリンク系リキッドをいくつか吸ってみましたが、ジュースを通り越してキャンディを口の中で転がしたかと錯覚させられるほど。
唯一、相性がイマイチ良くないと感じたのは私がベンチマークとして利用しているNASTY JUICEのSLOW BLOWです。
Berserkerはミストがぎゅっと凝縮される分、煙量は控えめです。
爆煙でぶわぁっと吸った方が美味しいSLOW BLOWは、Berserkerとは合いませんでしたね。
SLOW BLOWが合わなかったことは意外でしたが、他のリキッド…特にグレープ系のリキッドはどれも相性抜群で、この記事を書いている間もずっと吸い続けているほど。
VAPEに味を重視する私にはぴったりのアトマイザーで、見た目も味も全てに大満足でした。
確かな吸いごたえを実感
Berserkerを購入するまで、非喫煙者の私はMTL・タバコ吸いがどういうものなのか、さっぱりわかりませんでした。
しかし実際に吸ってみて納得です。
エアフローを全開にしても、ゼリー入りのドリンクをストローで吸っているかのような抵抗感があり、「ドローが重たい」とはこういうことだったのかと実感させられました。
吸いごたえを重視する喫煙者の方に体感していただきたいですね。
唇の端で咥えるのがおすすめ
ドリップチップはウルテムなので温度が変化しにくいですが、大きく吸い込むと吸い口付近のミストが熱く感じられました。
唇の真ん中ではなく、唇の端で咥えると熱いミストが触れずに安心して吸えます。
ミストが口内を満たす前に熱さで咥えてられなくなるという人は参考にしてみてください。
最後に
私としても初のRTAでしたが、ここまで気に入るとは良い意味で予想外でした。
味を重視しがちな非喫煙者はもちろん、重たいドローによる確かな吸いごたえは喫煙者も気に入ること間違い無しです。
そのビルドのしやすさからも、RBA・RTA入門に最適のアトマイザーだと自信を持っておすすめします。
クリアロからのステップアップを考えられている方は、Berserker MTL RTAをぜひ試してみてはいかがでしょうか。
それではまた。